久保田薫コラム

アメリカ スポーツ用品業界史

第3話
ウイルソン
(Wilson Sporting Goods Co.)


1850年代にシカゴを本拠にカンサスシティ、オクラホマシティ、アイオワ州のシーダーラピッズなどで精肉業を手広く営んでいたシュワルツチルド & サルツバーガーという会社が1913年に片手間に皮革を使った運動用具の製造をアシュランド マニファクチャリングという部門で始めた。

この精肉業部門はあっという間に全米にそのシェアーを拡げていき、それは同時に会社の規模も一気に拡大していった、1930年代には従業員数4,500人、1960年代には従業員数17,000人となり1930年代の全米優良企業ベスト50にもランクされるほどであった。一気に巨大化した精肉業主体の会社も1916年には資金面で行き詰まり将来が危ぶまれる事態となっていた。

その時、やはりシカゴをベースに各地で缶詰工場を経営し資産家でもあったトーマス ウイルソンが資金援助をし、この精肉会社をあっという間に健全な会社に再建した。そして、同じこの1916年にトマス ウイルソンが経営することになり社名も Wilson & Co. に変更した。
そして、トーマスは1913年以来精肉業の片手間にやっていたスポーツ用品の製造を主力商品に本格的に取り組み始めたのである。

その後1931年に社名も Wilson Sporting Goods Co. とし、全米屈指のスポーツ用品のメーカーとして知られるようになり、あらゆるスポーツ用品を手がけるようになっていった。
1970年に巨大飲料会社グループのペプシコに買収されたが、1985年からは再び単独で企業活動をするようになった。
アメリカではスポーツ用品メーカーとしては Rawlings と並び称されるほどの信頼と実績を誇っているが、同時にアメリカの誇りでもあった。

アメフト、野球、ソフトボール、テニス、バスケットボール、ゴルフ等の用具・ウエアー類を生産しているが、アメフト用品としては現在はボールが中心でヘルメットやショルダーパッド類は生産していない。

ボールはスーパーボウルの使用球、大学の試合球、日本の X リーグの公認球などを生産しており子供からプロ選手まで愛用者は多い。また、ショルダーパッドはかつて49ersのQBというよりNFLを代表するスーパースター であったジョー モンタナ(1979年〜1992年)がウイルソン社のQB用のショルダーパッド 77-QBR という通常のカタログに掲載されていたモデルを使用し、当時 日本のQBでもこのモデルを着用していた選手はかなりいたのではないかと思われます。
もちろん、日本にも来た事がある上にあのモンタナが使用と言うことで品切れが続発するほどの人気アイテムでもあり、NFLのレシーバーもこのモデルを随分使用していたものです。

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